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特に注意が必要な子供と高齢者【高齢者編】

高齢者は年齢とともに体の機能が衰えるため、熱中症のリスクが非常に高くなります。暑さを感じにくくなる、のどの渇きを自覚しにくくなる、汗をかきにくくなるなど、体温調節機能や感覚機能の低下が要因です。また、持病や服用している薬の影響で脱水になりやすいケースもあり、軽度の暑さでも重症化するおそれがあります。そのため、高齢者に特化した熱中症対策が重要となります。

まず重要なのは室内の温度管理です。高齢者は「暑さを我慢することが美徳」という考えを持っている場合があり、エアコンの使用を控える傾向があります。しかし、気温が高くなくても湿度が高いと体温がうまく放散されず、熱中症を引き起こす可能性があります。室温は28℃以下、湿度は50〜60%程度を目安に、エアコンや扇風機を積極的に活用しましょう。また、温湿度計を設置して、客観的に室内環境を確認することも効果的です。

こまめな水分補給も欠かせません。高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、自発的に水を飲む回数が減る傾向にあります。起床時、食事中、入浴前後、就寝前など、日常生活の中で定期的に水分を摂るタイミングを決めておくと良いでしょう。また、発汗により失われた塩分やミネラルも補えるよう、スポーツドリンクや経口補水液を取り入れるのも有効です。コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲料は水分補給としては適していないため、水や麦茶などを選ぶようにします。

服装の工夫も対策のひとつです。通気性の良い薄手の衣類を選び、外出時には帽子や日傘を活用することで、直射日光を避けることができます。また、外出する際は早朝や夕方の涼しい時間帯を選び、無理のない範囲で行動するよう心がけましょう。炎天下での外出や長時間の散歩などは避け、熱中症のリスクを最小限に抑えることが大切です。

さらに、生活リズムや栄養バランスの見直しも効果的です。十分な睡眠とバランスの取れた食事は、体調を整え、暑さに負けない体づくりにつながります。特に高齢者は食が細くなりがちですが、タンパク質やビタミン、ミネラルを意識して摂取し、夏バテを防ぐことが熱中症予防にもつながります。

また、周囲のサポートも不可欠です。高齢の家族や近隣の方には、定期的に様子を見に行ったり、エアコンの使用状況を確認したりすることが大切です。特に一人暮らしの高齢者は異変に気づきにくいため、地域全体で見守る意識を持つことが必要です。

高齢者の熱中症は、本人が気づかないうちに進行するケースが多く、重症化するリスクが高いのが特徴です。しかし、日頃からの小さな心がけと周囲の支援によって、予防することは十分に可能です。正しい知識と対策を実践し、安全に夏を乗り越えるよう努めましょう。